RPGツクールXP/VXの比較

RPGツクールVXでは、歴代ツクールの機能がXPと比べていくつか復活したほか、RGSSの仕様も少し変化しています。 主な変更について掲載します。
個人的な見解ですと、RPGツクールVXはRPGツクールXPの発展版と言えます。 総合的に見ても、ツクールXPに出来てツクールVXにできないことはほとんどありませんので、 とりあえず購入を検討されている方はVXのほうをお勧めいたします。 製作したいゲームの仕様上、詳しく両者の特徴を知りたい方は別途連絡をいただいてもかまいません。 (2008/7/21 追記)

RGSS(RGSS2)

RPGツクールVXからRGSSがRGSS2に規格バージョンアップされています。 ヘルプに掲載されている仕様の違いを列挙しておきます。

映像面

基本解像度
544×416になりました。ただし、RGSSのGraphics.resize_screenでゲーム画面のサイズは変更可能です (最大640×480、最小は特に指定なし)。
ただし、RGSSのゲーム構造自体が今回は544×416を基準としているため、 いざ変更しようとなるとRGSS内の多くの定数に手を加えなければならず、結構面倒かと思われます。 動作面からも544×416は悪くないと感じています。
描画フレームレート
60FPS基本。滑らかモード廃止。極力60で描画しようとするようですが、 XPと比べてマシンへの負荷は小さい感触があります(当方Pentium3-933MHz)。「画面のちらつきをおさえる」チェック項目はあります。

サウンド面

基本的にRPGツクールXPと同じ仕様です。加えてOgg Vorbisのストリーム再生に対応しています。コメントデータとして、 LOOPSTARTLOOPLENGTHの値をサンプル単位(通常1秒あたり44100サンプル)で指定することで、 音声ファイルが切れ目なく途中からループします。RPGツクールXPと異なり、逐次読み込みで再生時の遅延も無いので、 OGG形式のデータをBGMとして利用する価値は大変高まったと思われます。

エディタ操作性

イベントコマンド

RPGツクールVXの新規コマンド・復活したコマンド
その他復活したエディタ機能

ムービーの再生・チップセット置換関連以外は、ほぼ全てツクール2000系の機能が復活しています。

データベース

用語、乗り物関連が復活し、ツクール2000系に近くなっています。

スキル・アイテム・武器・防具・敵キャラ・ステートにメモという項目があります。 自由にメモを置ける欄ですが、$game_party.items[アイテムID].noteなどでRGSSで獲得できるので、 うまく利用すれば新しいパラメータ等として使用できると思います。

素材規格

RPGツクールXPと比べて細かい変更がありますが、大きなものだけピックアップします。

タイルセット (Graphics/System)

タイルセット(マップチップ)の規格が従来より厳格に定められています。デフォルトでは、 ひとつのセットを1ゲーム全体共通で使いまわします(RPGツクール95のような形態)。 RGSSで複数のセットを使用するようにすることも可能です。(ただし、通行可否の情報などの設定は、 全セット共通にしたほうが楽ではないかと思います。)

タイルセットの規格をRPGツクールVXのように厳格に定めることは、メリットとデメリットがあると考えます。 メリットとしては、素材配布時に規格が決まっているため、画像の差し替えだけで修正分の作業が少なくて済みます (画像ファイル上の、この位置にあるこれが低い山で、ここはアニメーション用なのでこちらにうつして…… という作業がなくなる)。デメリットとしては、イレギュラーなチップ(海を20種類用意したい、 ものすごく大きな木などを数十チップを使って表現したい)などが作り難いことがあります (イベントやRGSSなどで対応は可能と思われる)。いずれにせよ使い勝手については、 作ってみないとわからない感があるかもしれません。(後日議論したい)

1チップは32×32ピクセルです。

タイルセットA1
オートタイル。海・川・溶岩・滝など水系の3枚アニメーションチップのセット8ブロック。 飛行船の通行可否についてはヘルプに詳細があります。
タイルセットA2
オートタイル。左から、
平地・平地上の森・平地上の山・平地2・平地2上の草原・平地2上の柵・ 絨毯など境界線がつかないオートタイル・カウンターテーブル の8つの領域を1ブロックとして、これらを縦に4ブロック並べたもの。
タイルセットA3
オートタイル。主に外観構造の屋根・壁・柱など。タイルセットA2と、 タイルセットA5の3行目以降に対して、縦方向に2つ以上並べて配置した場合隣接する右側のタイルに影が自動生成される。
タイルセットA4
オートタイル。主に内装構造の壁。ダンジョン自動生成にも使用される。タイルセットA4と同様に、 タイルセットA2と、タイルセットA5の3行目以降に対して、縦方向に2つ以上並べて配置した場合 隣接する右側のタイルに影が自動生成される。
タイルセットA5
床。上から2行は柱の影が自動生成されないので、階段・光が貫通するガラス床などに使用。 3,5,7行目はダンジョンの自動生成に使用される。
タイルセットB〜E
上層チップに使用。16×16(256チップ)×4ファイル(BCDE)=1024チップ。 1024という数字が1ゲームに対して多いか少ないかは、 ゲームのスケールにもよりますが大抵はカバーできるのではないかと思っています。

アイコン (Graphics/System/IconSet.png)

1アイコン24×24ピクセル。16×16アイコン=256個。 ステート、アイテム、スキルで合計256個。1アイテム(1スキル)に対して1アイコンだと足りなくなるかもしれません。

どうやら増やせるようです。IconSet.pngのサイズを下方向に拡張、それに応じて選べるアイコンの数も増えます。 エディタ側も対応しており、RGSSに手を加えることなくアイコンの使用数は増加できるようです。 とりあえず下方向8倍の2048個までは拡張できることを私の環境で確認しました(風見鳥)

フキダシアイコン (Graphics/System/Balloon.png)

1アイコン32×32ピクセル。8枚アニメ×10種類。

戦闘開始時効果 (Graphics/System/BattleStart.png)

544×416の256色PNGファイル。パレット番号の若い順から戦闘開始時にトランジションが行われる。 (パレット番号で決定され、色は関係ない。)

戦闘画面床 (Graphics/System/BattleFloor.png)

544×192。デフォルトでは、ぼかしの入ったマップ画面に対して、この画像が上乗せされる。